蔵の改修 

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 木津川市F邸。

 この辺り(木津川市周辺)では、おそらく最古の住宅であろうと思います。

 F邸は築150年ほどとのことで、江戸時代までさかのぼります。

 その頃に他所で建っていたものを移築されたそうで、使われている材木は、

さらに古いことになります。

正規の手続きを経れば、文化財の認定でも受けられるのではないかと思います。

HPでは紹介できませんが、母屋の内部は、使われている部材といい、その仕事といい、本当に立派です。

柱などの材木も、150年経っているとは思えないほど、生き生きとしています。

2週間ほど前までOAKSで母屋の風呂やトイレなどを改修し、2期工事として今日から蔵の改修工事です。

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 軒先まで土が塗ってあり、仕上げは漆喰です。

 重量感のある立派な蔵です。

 老朽化して、軒先が垂れてきているので、今回の改修で、土は下ろします。


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 屋根の下地は、竹が編んであり、

 それに藁と土が約10cmほど塗りこんであります。

 土を下ろした後、竹や藁の状態を見ると、

 劣化はそれほど進んでいないような感じです。

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 竹などはまだしなりもあって、生きている感じです。

 小屋梁が出てきました。 

 松材ですが、かなり虫に喰われています。

 屋根を受けている構造材(束や母屋)も、かなり虫に喰われています。

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 今回、耐震強度を高めるため、土を下ろして屋根の重量を軽くし、

 鋼板を葺きます。

 屋根をきれいにとって、棟木(写真左)と桁(写真左下)を

 新しく入れ替えました。

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 間仕切りの土壁をそのままにしているのが判ると思いますが、

 この建物は構造上、この壁で成立していると思われます。

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 垂木も新しくしました。

 野地(屋根の下地)は、木毛板を内部側に貼って、もう一度垂木を流し、

 その垂木間にウレタン断熱材を仕込み、その上から構造用合板を貼ります。

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 屋根の仕上げは、ガルバニウム鋼板を葺きます。

 屋根の重量は、土で固めた屋根下地に瓦が葺いてあった時に比べると、

 5分の1以下ほどであろうと思います。

 耐震的には有利になった反面、台風などの耐風力が不利になります。

 その点は、現代式の構造用金物を駆使して対処します。

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 外壁の焼き杉を取ると、このような土壁が出てきました。

 横向けに窪んだラインは、焼き杉の下地があったところです。

 この土はしっかりしているので、このまま下地を新設し、

 それに板金していきます。

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 窓には、木枠に格子の入ったものが取り付いています。

 これもなるべく形状を変えず、木枠だけを新しくしていきます。

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 胴縁(外壁の下地材)を、柱に止め付けるために使われていた釘です。

 四角錐状の鉄を、打ち固めたものです。

 150年以上前の新築当初、使われていたものと思われます。

 とすると、江戸後期の鍛冶屋さんの手作り?

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 屋根を葺き替えた部分の内部。

 母屋(もや)をそのままに、垂木や野地は新しくしました。

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 蔵の2階の床も、下地に竹を編んで土が塗りこんであります。

 この上を歩くと、しなりはしますが、

 物を置いても意外ににしっかりとしています。

 土も固く、まだ荷重に耐えられる強度はありそうな感じです。

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 今回、補強として、真中の床梁に柱を立てます。

 床の土はそのままにして、劣化を防ぐために、上に構造用合板を敷き詰めます。

 下屋根は、瓦と土をおろし、新たに垂木からやり替えます。

 今度は、重量を落とすため、土は上げず、桟葺きです。

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 かつて活躍していた農機具が出てきました。

 手押し式の草刈機、脱穀機など、手入れをすれば

 まだまだ使えそうなものばかりです。


・・・改修工事 完成・・・

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