志摩市K邸

k-tei-kakou1

住む人と共につくる家 

現在、奈良生駒市にお住まいのKさんのセカンドハウスを建築しました。セカンドハウスといっても、伊勢出身のKさんは、やがては故郷へ戻り、終の住まいとされる予定です。

用地選定から同行し、土地の測量や、現地での法令調査などを一緒に行い、それと同時に建物のプランも煮詰めていきました。

Kさんは、外壁用の杉板の塗装や、ウッドデッキ作り、桧無垢材のフロアの柿渋塗りとワックスがけ、さらには現場の片付けや、ゴミの始末まで。この半年ほどは、ほとんどの休日を、家作りに費やしていただきました。

自分の家を、用地の選定からプランづくり、そして現場の施工までも、自分でできるところは自分でやっていく。

思いを現実にし、素材を厳選し、汗を流す。こうしてできた家こそ、オンリーワンの自分の家です。

newkobayasi-tei-jitinnsai11

本当の意味の「いい家」とは、家の大きさやかけたお金の額ではなく、こうして作っていく過程にこそあるのではないかと思います。

こうやって作った家は、これから住んでいくにしたがって、まだまだ手を加えられ、改良され、そこに住まう家族とともに成長していきます。


「住む人と共につくる家」が出来上がるまでの様子と、Kさんやご友人の奮闘ぶりをご紹介していきます。

上の写真は、敷地。

地理的に東南海地震が心配される地域なので、津波の影響のない程度に海岸から距離があり、静かで広い風景の見える場所が、Kさんの理想でした。

結局、ほぼ条件に合った用地が見つかりました。

面積約500坪で、高台でほぼ360°視界が広がり、海へも近い、遠くにスペイン村のジェットコースターが見え、リゾート気分を盛り上げてくれます。

遊び心旺盛なKさん、自分でもバージョンアップのできる家で、しかも友人が遊びに来ても、どこででも寝られるような家にしたい、とのご希望です。

newkobayasi-tei-model311

右は、1/100の模型。

このプランは、南面の中央部にウッドデッキをとり、どの部屋からでもデッキにでられる。このデッキにより、それぞれの部屋がひとつにつながる、といった計画です。

中央部より左側がLDKやお風呂、右側がゲストルーム。

デッキの後手が寝室です。 寝室の上は大きなロフトになっており、娘さんが帰ってきた時などに使うためのもの。

デッキの上には梁(横架材)が2本通してあり、バーベキューの最中に雨が降ってきても、簡単に雨よけができます。

右上の写真は、模型を南面斜め上から撮影したものですが、真冬の太陽はちょうどこのくらいの角度です。この写真からもわかるように、中央のデッキのおかげで奥の寝室やロフトまで陽が差し込みます。

newkP10100051

基礎は、地震のことも考慮して根入れを深めにとり、べた基礎で設計しました。

今回の工事では、工事監理はもちろん、大工さんや左官屋さん、屋根屋さんなどほとんどが、京都からのいつものメンバーで行ないましたが、基礎・水道・電気工事は、現地で紹介してもらった近くの業者さんにお願いしました。

newnewkP10100141

右の写真は、玄関前に配置する桧の丸太を,、その寸法に加工しているところです。

ひとかかえほど(φ300)の丸太をそのまま、玄関框のコーナーに配置する計画です。

靴の脱ぎはきに毎日毎日手で触れていけば、やがて人の油で艶やかになり、いつもつかまる所がわずかにくぼんで、家と共に年輪を刻んでいくことと思います。

newkP10100151


管柱が立って、桁を敷設したところです。

この日、朝から土台を据え、ここまでで仕事は終了です。

翌日、棟上げを行ないます。

newkP10100291

無事、棟が上がりました。

ほとんどの構造材が化粧となるため、組み上げる前に、きれいに削って仕上げておきます。

母屋(屋根を支える水平の部材)も化粧材で、この上に杉の無垢材の18mm厚のものを貼ります。さらにその上に断熱材を入れ、もう一度杉板を貼り、最後に屋根材を葺きます。

newkP10100271


京都からやって来たご友人がこの日、朝から釣ってきた鯛をお祝いにプレゼント。

棟の上がった建物をバックに、釣りたての鯛を持ってご満悦のKさん。

newkP10100261

これはめでタイ!!

Kさんのご友人Iさん。プレゼントした鯛はもちろん、この日の最大の収穫は、左の写真85cm級のブリ。

このブリを引き上げるのに、1時間ほどかかったとか。

お見事!!

newkobayasi-tei31


上棟後、10日ほどの様子です。

屋根は、ガルバニウム鋼板瓦棒葺き。

ガルバニウム鋼板を採用したのは、潮風にも錆びにくいという点と、軽量で地震時にも比較的安心という点からです。

但し、風への配慮から、下地は合板を使わず、杉の無垢の野地板15mmのものを使用しました。合板に比べ、耐久性がよく、ビスの支持力が長期にわたって持続できます。

newkobayasi-tei21

外壁は、杉の無垢材を貼ります。厚み18mmで、自然素材の塗料で塗装をしました。

塗装は、壁に貼る前に、工場で行ないます。

今回、この作業はお施主さんの仕事となりました。

自然な感じのいい色に仕上がっています。

skobayasi-tei-inside12

床下地の状況です。

根太(床を支える角材)を敷設しているところですが、この根太は、6cm×6cmの桧の芯持ち材を使います。見た目にも、実際も飛び跳ねてもビクともしない頑丈さです。

この下に断熱材を入れ、構造用合板を下貼りし、仕上げは桧の無垢フロアー(厚み18mm)をはります。

一階の床はすべてこの桧の無垢フロアー仕上げです。家全体に桧の香りが漂い、夏でもさらっとした触感が快適です。

skobayasi-tei-inside21

天井は屋根勾配のまま、構造材をそのまま見せた仕上げです。

仕上げ材は、杉の無垢材(厚み18mm)です。その内側には断熱材が入っています。

蒸し暑い夏も、杉の調湿効果で、快適な室内環境が期待できます。

skobayasi-tei-inside61


真ん中に見えるブルーのシートで巻かれた柱が、この家のシンボル。

桧の磨き丸太(直径約30cm)です。

その向こうが玄関です。

skhouseP1010002



外装の杉板を貼った、全景。



khouseP1010019


水屋を作るための杉板です。

巾50cm、厚さ6cmの一枚板。

これをカウンターにして、水屋を作ります。

khouseP1010010


内部の断熱材を充填したところ。

khouseP1010025




南正面。

日当たりのよさそうな表情です。

skhouseP1010030




内装工事もいよいよ終盤。



skhousep1010033


南面のウッドデッキの基礎を作っているところ。このウッドデッキは、お施主さんKさんとその親友Yさんが作られます。

材木の仕入れや図面は、当社で準備しました。

このデッキが完成すると、玄関・廊下・リビング・客間が一体としてつながり、郊外の敷地を生かした、広々した雰囲気が出てきます。

skhouseP1010035

カウンター・キッチンを正面から見たところ。

キッチンのカウンターは、桧の無垢板で、厚み4.5cmのものです。

skhouseP1010034



リビングから玄関を見たところ。

ドアを開けると、ウッドデッキが広がる予定です。

skhouseP1010042




廊下の天井を見上げたところです。

skhouse-kakisibuP1010010





柿渋を塗るKさん。一枚一枚力をこめて。

柿渋は、柿の渋100パーセントの原液を塗りました。 

左の写真、左の白っぽいところが、まだ塗っていないところです。桧の、張りつめたような白さがなくなるのは少し残念ですが、汚れも目立たず、しっくりとした温かみが出てきます。

ssk-houser-kakisibup1010006

塗り上がったところ。

薄い茶色に少し朱色を混ぜたような色合いですが、やがて、こげ茶色に経年変化していきます。

sosmop10100011


柿渋を塗った後、 左の写真のワックス(オスモカラー)を塗ります。

これも力を込めて塗りこんでいくという感じです。 

朝8時からはじめた仕事、柿渋を塗って、ワックスかけが終わったのは6時半。腰も腕も肩もへとへとになって、ふと気がつくと陽は暮れて辺りは真っ暗。

充実感と満足感、疲労とともに夜がふける。手塩にかけて作り上げた家。

skhouse-kakisibup1010004

1月の北風が吹きすさぶ中、黙々とデッキを作る友人のYさん。Yさんいわく、「今日で85パーセントまでできた」。

基礎から始めて、床組をし、デッキ材の塗装、そしてそれを貼り、今度は手すりを作る。いつの日か、このデッキで、釣った魚でビールを飲むことを夢みつつ.... 

それにしても、このKさんの友人Yさん、仕事の段取りといい、精度といい、頑丈さといい、ただ者ではない。

snewbbqP10100501



完成…2004年2月。